俺のことなら俺に訊け、俺通信です。 愛です。2001年から書き続け、2014年5月にサーバーを変更しました。 それ以前のテキストはこちら→http://s.maho.jp/homepage/6c55eadec2d1b3bf/

持続か間欠かでいえば後者ガール 親指一つでサーカスを立ち上げるの巻

助かりました俺通信です。いつだかの自動書記です。

 

「おしっこしたら全部忘れちゃった。」部屋に戻ってきた彼女は、どこもみていない顔でそう伝えてきた。
「何かあった?」
「うん、とても大切なことを君に言おうと思ってたんだけどさ、一緒に水に流れちゃった。」

 


僕がこの世のすべてを呪うのをやめたあの日入れ替わりでうまれた呪いが焦げるにおいがしている。
今朝、目が覚めた時からずっとだ。
焦げ臭いような、膨らませる前の風船のような、技術が進化する時の軋みみたいなものが目の前10cmでずっと待機していて正直ウザい。
まっすぐだと逆に「揺れ」に弱いから、少し撓みを混ぜておくね夏の電線ってみたことある?てか電線って知ってる?
いつのまにか自宅から駅までの道の電線が消えて、どうも地下に潜ったらしい。そういえばポストにお知らせがきていて、そういうこともあるのかと思ったあれも夏の暑い日だった。
道の反対側はスラムだから街灯も少ない。
だいたいそういうところは地面から平らではない。
何か理由を探したくなるほどあちこちがいい加減である。
表通りに面したマンションの金のなる木は金がなっているのに、スラム側の金のなる木はただの植物だった。
年が明ける瞬間ジャンプするみたいに、謎の習慣で電車をなぞるんだけど、そんな中途半端なことしないでほどけかけた自分の命を終わりにするまとめ作業を繰り返す。
どうやって辿り着こうか考えているといつもいつのまにか眠っていて、その状態で配信したりする人が本当にこわい。死んだ友達が「無理な時はもう無理」という説得力に全振りした言葉を背骨になぞって彫っていた。
葬式の時に「あれどうなったかね」と隣のお兄さんにきいたがそんなことは知らないという。
見せてもらったらどうもなってないどころか刺青は消えていた。レーザー治療した傷もなかったから、たぶん最初から作り話だったんだろうな。
それでも古くから知る人が死ぬとそれなりに悲しくて、死んで腐って変なにおいになると人間を人間と認識しにくくなっちゃって、貸してないけど「なあ、金返せよ」って言い続けることによって一旦生き返らないかなって思ってたら涙が出てきた。
君の死体の一部と思しき、膝かなぁ、なんか思ったより大きなパーツがプレゼント梱包されて、夕方の小学校の西門昇降口に紙袋に入れられて置いてあった。
「どれだけ、この日を待ったことか!」
それでも未来人はカマキリの形相で怒ってグズっていない。
母親はバーカウンターでのんでいたけど、急に焦って帰ったよ。そしてすぐ子供が食べられないお腹の部分は親切な人に片付けてもらった。


彼女は、そこにはおばけがいないから避難しても大丈夫だと教えてくれようとしていたと、わかった時にはもう姿はなかった。


おやすみなさい
どうにもなりませんように