俺のことなら俺に訊け、俺通信です。 愛です。2001年から書き続け、2014年5月にサーバーを変更しました。 それ以前のテキストはこちら→http://s.maho.jp/homepage/6c55eadec2d1b3bf/

仮歌のままお蔵入り

必要な時だけ呼び出してね俺通信です。逆空出張、実際はそこでおこなわれているのであった。行かないけどね。年末調整でいくら戻ってくるのって話。

さて、先日電車で移動していた時の話。車内は満席だったのですが、一人の老婆が足早に優先座席方面へ。そして座っていたサラリーマンお兄さんの顔ギリギリまで近づき「譲ってくださいね!」。なんというか、その、言い方よ。お兄さんも「ああまあそう言われたらどきますよね」みたいな顔で避けていかれました。私が同じようなことを言われたらきっと戸惑っちゃうな。とにかくその方は、「短い老い先、強気で生きていこう!」って感じでした。うーむ。

また別の日、混み合うエレベーターの前で、どう考えても全員降りるフロアなのにドアの前に立つおばさま。そこ、邪魔なんじゃないでしょうか。降りようとしたベビーカーのお母さんは明らかに戸惑ってらっしゃるわよ。おばさまがいいなら、私はいいのですけど。うーむ。

歳をとると視野が狭まって己のことばかりになる、とは言うけれど、だからって横入りや傍若無人な行動が許されるというのはちょっと考えにくい。況や若者をや。広いデパートの6基くらい並んでるエスカレーターにベビーカーを乗せて上昇して行くお母さんに遭遇すると、心がざわざわする。無理矢理地面蓋を踏まされているような…。うーむ。

だからって、人にこう思われたくない、なんだあいつと後ろ指をさされたくないがために家から出ないっていう選択しかできない30過ぎもどうかと思いますけどね。本当にすみません。すみませんでした。でも病気じゃないんです。

都合が悪くなると岡村ちゃん口調で逃げ切ろうとする悪い癖がなおりません。do the ヘポタイヤ。のうのう、のののう。おーげー。

本当のこと

天網恢々笊みたいなバグ修正俺通信です。

珍しい仕事をしていたり、うさぎを飼っていたり、そもそも物書きだったりで「ブログとかやってないの?」と言われることがままあるんですが、なぜか咄嗟にやっていないと答えてしまう。俺通信を書いているのは私だけれど、私を知っている人に俺通信を読まれるのはなんだか気恥ずかしい。大々的に発信しているつもりはないけれど、誰でも読めるものなのでみつけたらどなたでもどうぞというスタ(中略)というだけで写真を撮るのか」ということばかりです。起きている。動いている。

 

いつつめの花嫁

人に言いにくい俺通信です。ちょっとしたことですぐ感情的になって、それで平気なの?って自分に辟易して、地獄のような胸焼けとたたかっている。今日は天気がいいから、とか、どうも雪がふるらしいとか、そういったことはあまり関係なくて、自分の気持ちがぐっちゃぐちゃの時に限って連絡がある。どっから見てんだ。

あんまり人に会いたくないから仙人みたいな生活をしている。それが悪いとも思っていない。おかげさまで心穏やかに生きている。SFCDQ5をやったりしている。さいごのかぎを手に入れたあとに石盤の蓋をしにいったら途中ではぐれメタルに遭遇しましてね咄嗟にパルプンテを唱えたわけですがドラゴラムを覚えていたはずの娘が効くわけないのにイオとか唱えてみたりいろいろつえを振り回したりしているものですからそれでえー何やってんのって慌ててコマンドを「めいれいさせろ」にしましてね私はもう一度パルプンテを唱えたわけですそうしましたらねそこにいた全員のMPがすべて0になったり片っ端からマヒしたりでそれで普段そんなことないんですけどね視野にアレが、ええ、そのまさかです。

 

「ばあちゃん!リセット!」

「ほいきた!」

 

ここにおばあちゃんはいないし、私に孫はいない。なぜでしょうね、すごく自然に、リセットボタンを押していたんです。

ぼうけんのしょ1で最後にセーブしていたのは、なぜか瀕死だし、なによりさいごのかぎ入手前であった。

もう、クリアしたことにしちゃおうかなと思う、私は、汚い、大人です。

技術

記憶を飛ばすほどお酒が飲みたいぞ俺通信です。飛ばしたこと、ないんですけどね。

家の近所にタイ料理屋がたくさんあるんですけど、それでもやっぱりタイに行きたくなります。暑いのはあんまり好きじゃなかったはずなんですけど、気がついたら暑い国ばかり行く人生でした。外国の食事でお腹をこわしたことがない、というのも理由のひとつです。

そして私は数日家をあけます。誰も自分を知らぬところへ行きたいとかなんとか言って。6時間もたつ頃にはどうしてそこで手を止めたかなんてことさえ忘れているのですから。呆れますね。

iTunesの奥にしまっておいた黄昏’95を無理矢理引っ張り出してへらへら笑って、やらなきゃいけないことをすべて先送りにしました。空想よりももっと高いところだと足がすくんで多分帰ってこれない。近所のパン屋が潰れたって気がつかない。ミュートしてサマージャム’95に繋ぐ時もある。それは気付く。

あれ?って思うこともある

思い出し泣き上戸俺通信です。気晴らし。

素敵だったと思い込むことで昇華できていた筈の思い出も、あの頃の気持ちを併せて思い返してみると「たまったもんじゃねえなおい」と言った類いのことばが口をついて出る。まじで、なんであんなの我慢していたんだろう。

人生は前にしかすすめないからこそ、その時判断を誤ると取り返しがつかないことになるし、ふんばって「やってやんよ!」と息巻いたとて、基盤がぐらぐらだと悪化しかしない。誰も何も得しない。長い目でみて、アウト。

だからこそ私は、あの頃の自分の判断が全部正解だったと思い込むことにより、あり得ないほどの幸せを噛み締めるのだ。すごいニヤニヤしています。毎日。

私は女性にしては普段の話し言葉が乱暴になる時がありますのでちょっと気にしているんですけど、まわりの友達に子供ができたあたりから徹底しています。だから冒頭の「たまったもんじゃねえなおい」もちょっとひっかかっている。

毎日積み重なる思い出のモト、喧嘩のタネ、仲良くなるキッカケ、すべて言葉だったりしませんか。

私は一度言われた嫌なことは一生死ぬまで忘れない、すごく根に持つタイプなので余計気にしています。

今日は特に言いたいことがないので、こんな内容になりました。

その場で考えたお話と着地点

オポジット大好き俺通信です。雪のように純粋で繊細、透明感を放つ言葉。この場合はそれに限りません。

 

ミオリは戸惑っていた。ミオリを優しく見つめる男性の身体はぼろぼろだ。優しいこの人が死んでしまったら、私は天涯孤独になってしまう。暗い演歌みたい。運命ってやつはいつだって死神が枕元に座るのを阻止する医者の末路。それでもミオリは死亡宣告を受け入れた。「普通が一番難しい」ということを実感しながら。

 

「ミオリ、すまない」主人の眼窩は落窪んで、もはや何も見ていないように見えました。私はそんな主人を自宅で看取り、茶の間の小さな座布団に腰掛け、アルコールで胃を満たして心の隙間を埋めるのです。区役所に行くため、ミオリは外に出ます。手の震えをとめて。どうもすみませんという顔をして、優先席にゆっくりと腰掛けます。すると、反対側の優先席に座っている人と目があいました。素顔であろうに妙につやつやした顔で、ふわふわした綺麗なニットの下のお腹は確かに膨れていましたので、ミオリはその人が幸せなタイプの人なんだと悟ると同時に、己のダメなオーラがその人に伝染しないようにできるだけ小さくなり、ビールで安定剤を流し込みました。

「いけないものを見てしまった気がする」

ミオリは夜になってもなぜかその人のことが頭から離れませんでした。自分だって順風満帆な人生だったわけではないが、嬉しいことだって楽しいことだって人並みに味わってきたはずだ。起こりうることはなんだって受け入れてきたから、お酒に逃げたってなんだって生きてきたけど、万が一億が一と考えたら悲しくなってしまって、安定剤のせいなんかもあいまってミオリは泣き崩れてしまった。遺影の主人が微笑んでいる。なんでもない、とだけ呟き、眠りについた。「普通が一番難しい」ということを実感しながら。

 

その場で考えたお話と結論の差

音源よりジャケットのほうが先にできたってさ俺通信です。本日の俺通信は創作でございます。いつだって創作なんだけれども。

 

ミサキは戸惑っていた。ミサキを優しく見つめる男性の苗字は「御崎」だ。この人と結婚したら私は「ミサキ・ミサキ」になってしまう。電気グルーヴの「ジュンコ・ジュンコ」みたい。運命ってやつはいつだって死者の書片手に待っているの。それでもミサキはプロポーズを受けた。「普通が一番難しい」ということを実感しながら。

 

「ミサキ、行ってくるよ」主人は毎朝定時に出社いたします。私はそんな御崎さんを玄関先で見送り、リビングの大きな白いソファに腰掛け、臍越しに御崎さんとの愛の結晶を撫でるのです。検診のため、ミサキは外に出ます。平たい靴をはいて。どうもありがとうございますという顔をして、優先席にゆっくりと腰掛けます。すると、反対側の優先席に座っている人と目があいました。白髪頭で目深にニット帽をかぶり、マスクをしたその人は缶ビールを片手に、ずっと何かこそこそとしていました。妙に厚着で、寝間着のような服装なので、ミサキは最初その人は中年の男性だと思っていましたが、ミサキと目があったその目は確かにミサキと同じような年齢の女性だとわかりました。

「いけないものを見てしまった気がする」

ミサキは夜になってもなぜかその人のことが頭から離れませんでした。自分だって順風満帆な人生だったわけではない。御崎さんの苗字に戸惑っていつまでも自分が独身のままであったら…万が一億が一…と思うとおそろしくなってしまって、ホルモンのせいなんかもあいまってミサキは泣き出してしまった。御崎が不思議そうな顔で問いかける。なんでもない、とだけ返事をし、眠りについた。「普通が一番難しい」ということを実感しながら。