何がどうダメなのか自分で納得しない限りはもやもやするに決まっている
Aちゃんは朝の新宿駅で「次の機会までに硝子の少年を覚えて来てね!一緒に歌おう!」と叫んで俺通信です。
長い長い映画のような人生を送っている。人生はシネマだ、と半ば本気で思っている。果物の美味しい八百屋でどれがいいこれはどうだなんてぼんやりナガノパープルの山をみていた時、隣の女性が携帯電話で話しながらこう言った。
「まだ家にちょっとぶどうあるけどさぁ、今年しかないし、あたし来年いないじゃん。だから買っていい?ぶどう」
え、と思った。反射的にその人のほうをみてしまった。女性はクマがひどく、顔はむくみ、裸足にサンダルをはいて、寝間着のような、なんだか少しだらしない格好をしていた。そしてなにより決定的だったのが、眉毛や頭髪がなかった。「来年いないじゃん」ってそういう意味か。日本にいないとかじゃなくて、そういうアレか。はっとした。はっとしただけ。帰ったらテレビでレディーガガが「don't call me GAGA」って言ってた。はっとした。「え、じゃあ誰」って実際言った。
「からだを青く塗るっていうのをずっとやりたくて、まわりに反対されているうちにアバターに先をこされたの!」
ほー、と思った。思っただけ。
平成も四半世紀を過ぎたのに私はまだニルヴァーナを聴くし、ここ5年くらいずっと「焼き鯖寿司っておいしい」って思っている。思っているだけ。