漲る天パ
やりきれないからこそ俺通信です。
自分のことを考えると途端に混乱する。他人の不幸自慢は聞き飽きたが、己の口の端から零れ出る幸せ涎を指摘されるたび「あ、なんかすいません」となってしまう。「人の事言えないや」って。それでぼんやりSlipknotなんかが聞こえてきて「本格的に夏だね」って言う。言うよ私は。器用なふりしてるけど、勇気はない。たまに仕事をするんですけど、出勤前に心の中で「帰りたい帰りたいまだ行ってないけどもう帰りたい」と呟き続ける怠惰な人間にも、神様は平等にしあわせを許してくれる。まじか、とかなんとか口ごもって俯き加減で生きている。何もしなくても痺れる腕をさすって、まじか、と繰り返す。筋肉少女帯の「中学生からやり直せ!」を歌いながら自転車をこぐと少しすっきりする。全然知らない話をされると困る。まじか、みたいな顔になる。そのままマンションに帰ってくると駐輪場の猫に敵視される。ハッとする。
それでは聴いてください、人間椅子で「心の火事」。